『世にも美しい数学入門』 [books]
10 年ぐらい前に『若き数学者のアメリカ』『数学者の言葉では』を読んではまって以来、
ほとんどの著作を読んでしまって、新作が出てもすぐ新作が待ち遠しくなる藤原正彦と、
こないだ書いたように近頃僕の中で旬の作家、小川洋子の対談集。
ちくまプリマー新書という筑摩書房で最近立ち上がったシリーズの一冊。
僕自身は藤原正彦の主義主張を他の著作でほとんど知っていることもあって、
あっというまに読み終えてしまった。藤原ファンとしては物足りない。
新書で対談形式だから、読みやすいというのもある。
正直なところ、小川洋子が僕の旬でなかったら、
書店でぱらぱらと斜め読みして終わりという程度だなあ、個人的には。
なんというか、『博士の愛した数式』の副読本のような。
でも、藤原正彦の著作に刺激されて、小川洋子が小説を書いたのは確かなので、
変なうさんくささのようなものはない。
これを読んで小川洋子の著作の雰囲気を知るのは無理だけど、
藤原正彦のそれを知ることはできるかも。
物足りないのは、小川洋子との対談だからなのか、彼がお上品すぎるところ。
彼については上記の 2 作から読むのがお薦め。彼らしい文章を書いてるから。
南伸坊の挿絵はなかなかよかった。デフォルメ加減が上手。
超弦理論の Edward Witten は本書でも触れている NHK の対談で見たけど、そっくりだ。
M 理論を考えるのはこの頭か、と。藤原正彦も大きいけど、Witten はそれ以上。
『博士の愛した数式』がお気に入りで、学校で習わなかった『数学』に興味がわいて、
そのうえ「藤原正彦って誰?」という人向け。
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